[1] 朝の浜辺 投稿者:青木 ユカ 投稿日:2001/07/23(Mon) 03:17

競泳用の水着にパーカーを引っ掛けて、畳んだパラソルを脇に砂浜を進んでいる。
目の前には午前のまだ水の冷たそうな、海の波しぶき。
波打ち際が見えるぐらいまで来ると後ろを振り返って、
「まゆ、どのへんに立てる?」
パラソルの支柱の底を砂にどんと突き立てて、それに身体をもたれ掛けさせる。
「午前中とはいえ夏な太陽だよ。早いとこコレ、おっ立てちゃおう。」
「日焼けして皮が剥けるのは嫌だよ」
別に焼けるのは構わないが、さすがに一日中太陽の紫外線にさらされるのはぞっとしない。

新しい方法で試しに発言……書きにくい(汗)



[2] 砂に足をとられながら 投稿者:高田 まゆ 投稿日:2001/07/23(Mon) 04:01

(楽しそうに青木の後を歩いて付いてきている)
(両手に持ったクーラーボックスに、時々よろけるようにして)
うう~、歩きにくいよ~、重いよ~。砂の中に足が埋まっちゃう~。
サンダルにも砂が入ってくるし……でも砂の感触って、気持ちいいかも。
………ッひや~! 指の間を砂が通り抜けるよー、くすぐったいい~っ!(笑)
(青木の言葉に)
「うんとね、もうこのへんでいいんじゃないかなぁ~。
 あんまり波打ち際だと潮が満ちてきた時また移動しなきゃいけないしね」
(自分も重い荷物を砂の上にどさんと降ろすと、ちょっと足を持ち上げて砂を振り落とす)

今度は行動にカッコを付けてみました。やりにくいッス(爆)



[3] 夏男そのいち(笑) 投稿者:平 哲郎 投稿日:2001/07/23(Mon) 04:08

「おっらあぁあああ!! 行くぜえっ!!」

荷物を置くと羽織っていたシャツとサンダルを脱ぎ捨て、海パン一丁でいきなり駆け出した。
一気に水の中に突っ込んでいく。
「うおっ! 冷てえっ!!」
盛大に水飛沫をたてながら波を掻き分けて進み、一度頭を水の中に沈める。
再び海面に頭を出して、
「…痛ェ~。ちくしょう、海水だから目にしみんなぁ」
「オイ! お前らも早く入って来いよ!」

まだ浜辺にいる仲間たちに呼びかける。

え~と、もうこれは慣れるしかないってことで(笑)



[4] なんだかんだと 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/07/23(Mon) 20:59

部屋で日焼け止めをぺたぺた塗っている。
ふと、窓の外に視線を向け、
「いいお天気ですこと……」
太陽のまぶしさにかすかに目を細めた。
「この日差し……やっぱり塗りなおしは必要ですわね……」
日焼け止めの入れ物を眺め、すこし考えてから、
側に置いていたおおきめのかごの中へそれを放り込む。
(さ、支度もできたことですし……)
さっと立ち上がると、水着の上に軽く上着をはおり、
かごを片手に部屋を出て行く。
(……スイカ割りというのを1度やってみたかったのですわ……ついに叶いますのね……)
よほど楽しみなのか、平静さを装うとしているが足取りが自然、軽くなっている。
(ユカさんたちも誘って……大きなスイカですもの、割りがいも食べがいもありますものね……。
……東はちゃんとスイカを運んでくれたかしら?)

こんな感じでいいのかな? ……むやみに長くなってますか?(爆)



[5] やたらと荷物。 投稿者:狩谷 東 投稿日:2001/07/23(Mon) 21:11

浜辺にやって来て、とりあえず適当に腰をおろしている。
(やれスイカ割りだの花火だの……楽しむのは一向にかまわないが……)
目の前に大きなスイカがふたつ、転がっていた。
(スイカ割りに予備なんているか? 普通。考えてみればここで調達してもよかったんじゃないか……。
巴家御用達の八百屋ともなればそりゃスイカも立派なもんだが、俺の荷物より重いってのは、どういうことなんだ?
……どうせ、萩乃のことだから、自分で割れなかったら嫌だからなんだろうがな……)
やれやれ、という面持ちでスイカをぱこん、と叩き、
「それにしても、暑いな……」
海に入っている人々をややうらやましげに眺める。



[6] 男の海遊び 投稿者:加納 洋人 投稿日:2001/07/24(Tue) 20:59

麦わら帽子をかぶり、ドライシャツの長袖をまくった上から
ライフジャケットを着込んで、長ズボンといういでたちで、
磯釣りに励んでいる。
魚篭の中で、いくばくかの成果が泳ぎ回っている。
「……腹減ったな」
古風な笹の葉の包みを解いて、梅おにぎりにかじりついた。
彼はこうした用意は自分でしている。
由以がはりきって手伝おうとする時もあるが、朝早くに起きてこない
場合も、ままあるからだ。
「あいつ、どこまで泳ぎに行ってんだ?」
少し見てこようと思った、その矢先に魚信がやってきた。



[7] 宗像(むなかた) 投稿者:加納 由以 投稿日:2001/07/27(Fri) 16:25

「ぷはっ」
海面に顔を出し、ブイに手をかけて体を休める。
透明度の高い綺麗な海だった。水中メガネなど不要かもしれない。
もともと彼女の泳ぎは山間を流れる川や池、湖がもっぱらだ。
海で泳いだ経験は、数えるほどしかない。
だが彼女は天然自然の運行をよく心得ていた。
「はあ~遊んだ遊んだ……」
遠くの砂浜と、白波立つ磯を見比べる。磯には、彼女の本当に信頼する
男がゆったりと釣り竿を垂らしているのが見えた。
(のんびりしてて、あたしを放っておいてもいいの?)
そんな風に思いながら、浜へ向け泳ぎだした。




[8] 眠気ざまし 投稿者:渡瀬 よもぎ 投稿日:2001/07/28(Sat) 20:06

朝はもともと苦手だ。
いつも目覚まし役になっているにぎやかな弟妹がいないので、
すっかり寝過ごしてしまった。
浜辺へやってくると、星火の学生がそこかしこで寝そべったりしていた。
それを眺めやって少し考えたが、寝るのはとりあえず後でもよかった。
知り合いがいるかどうか捜したが、人が多いので見つからない。
しかたなく、ひとり、おだやかな海の中へ足を踏み入れる。
あまり冷たくない。
生暖かい水温は、しかし、不快ではなく心地よかった。
眠気覚ましにと、ゆっくりと泳ぎだした。



[9] 浜辺、到着。 投稿者:河内3兄妹 投稿日:2001/07/30(Mon) 14:12

「夏と云えば海! 海と云えば海水浴! いやー、こういうの主催するヤツらに感謝だね!」
右脇にパラソル、左脇にクーラーボックス。
ビーチサンダルで砂浜踏みしめ、既にバミューダ1枚の気の早い姿で、流は砂浜に立つ。
「わざわざ連れて来られた方は良い迷惑だ」
貴重品及びその他荷物+『夏定番グッズ・流仕様』を持ち、荒は呟く。
「荒くん、海、嫌いなの?」
「苦手だ」
事実、現在泳げる様な格好ではないし、大体彼は水着を持ってきてすらいないのだ。不毛だ。
「だーいじょぶだ! 雫は俺がめっちゃ遊んでやるからな~」
うっし! 場所取るぞ! と、駆け出す流の背を見送り、残り二人はゆっくりと、後を追い始めた。

こ……こんな風で良いんでしょうかっ…



[10] 中身は冷えたほうじ茶 投稿者:船橋 深奈美 投稿日:2001/07/31(Tue) 01:39

思ったほど、混んではいない。それが第一印象だった。
2人の義孫-というより年齢差を考えるとほとんど妹だが-は思い思いに海を楽しんでいるようだ。

「海かぁ…」
前に来たのはいつだったか。
小学校の頃、親戚のおばさんに連れていってもらったのが最後かもしれない。
もともと、生まれ育ったのは海とは無縁の場所だったし、
大学以外の生活の場所はすべて山と川だった。

「ま、とりあえず」
お茶かな。水筒水筒……。



[11] 発見。 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/07/31(Tue) 19:33

ひと泳ぎすると飽きてしまい、岩場を探索することにした。
東は彼の友人たちとまだ泳いでいる。――もっとも、一緒に行動する気など、さらさらないのだけれど。

岩場は見た目どおり、ごつごつしていて歩きにくかった。
なにかいるかもしれない、としゃがみこんで何気なく岩場の隙間を覗き込む。
「…………」
ウミウシを発見した。
彼女は、ウミウシを見たことがなかった。
「……な、な、ん、ですの……これは……」
呟いたきり、硬直。



[12] 無題 投稿者:加納 洋人 投稿日:2001/07/31(Tue) 21:00

「そいつはウミウシだよ」
まずまずの釣果を得たので、由以と合流すべく荷物を携えて移動した
のだが、目の前で硬直している少女に注意を向けてしまった。
「別に触っても害はない……俺は3ーbの加納ってんだ。こういう生き物
って、初めて見たの?」
相手に警戒を抱かせない口調とスタンスの取り方は、何年もかけ培って
きたものだ。彼の一面として特に意識せず出てくる。

「…じゃあ、名残惜しいけど失礼するよ。人を待たせてるんでね。
そうだ、岩場を歩くときはズボンをはいて、ちゃんとした靴を用意した方が
いいよ。またね」




[13] 見るものすべてがめずらしい 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/08/01(Wed) 22:11

 加納洋人に話し掛けられ、硬直がとけ、そちらを見上げた。
「……ええ、初めて、見ましたわ……こんな生き物……。
星火の方ですのね……わたしは、1年A組の巴と申します」
 名乗って、それから御礼を述べる。
「うみうし、ですの……。教えてくださってありがとうございます」
 彼の台詞をきいて「ごきげんよう」と去っていくのを見送った。
 そして、再びウミウシに視線を向ける。
(触っても害はない……)
 教えられた言葉を心の中で反芻し、そおっと腕をのばして、ちょい、と突いてみる。
「……うみうし……」
 彼女が足元にいるフナムシに気がついてまたしても硬直するのは、その数秒後になる。



[14] 砂浜に、一人。 投稿者:河内 荒 投稿日:2001/08/01(Wed) 23:26

「…何やってるんだろうな、俺は…」
レジャーシートの上で胡座をかいて。
空の上より燦々と降り注ぐ真夏の日射しは、彼の脇に立てられたパラソルによって遮られてはいたが。
「暑いことに、変わりないしな……」
ぼんやりと呟くと、傍らの荷物に目をやった。
「…確かに、荷物番は要るだろうが…」
両親のどちらかでも休みが取れていたなら、多分、自分はこの場には居なかった筈なのだ。
程良く貯まってきたバイト代でもって、パソコンのパーツでも買い換えるか、と思っていたのに。
「…今更、か」
諦めて、荷物の中から文庫を取り出す。日常的に良く使っている学園の図書室に、こんな所でも世話になっている気がして、思わず苦笑した。
ふと、波打ち際で遊ぶ弟妹を眺めて。
それから、おもむろに書に没頭し始めた。
「…2冊で足りるかな…」
彼の1日は、まだ、長い。



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(すみません、ログ取り逃しました…;)
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[21] 夏の太陽 投稿者:扇谷俊介 投稿日:2001/08/14(Tue) 19:51

「あ、名前だったら……」
否。いま少しアプローチしてみようとも思ったが、やめた。一瞬で、えらく距離が離れてしまっている。
「高目だなあ……星火の連中みたいじゃないか」
日ごろ衝突している者たちのことを思いだし、思わず呟いた。彼としては、そういう女性も
実は嫌いではないのだが。
ポケットの中の携帯電話が震えた。

「もしもし……だめ、さっぱり。そっちは?あ、うまいこといった?じゃ指定の場所で待ってるよ。
ヤブ蚊対策してさ……うん」



[22] 友情出演 投稿者:梅ヶ丘 豪 投稿日:2001/08/16(Thu) 03:10

だいたい、海へ行きたいわけではなく、買った中古車の慣らしを兼ねてのドライブだった。
高校を卒業して、付属とは別の私立大学の自動車部に籍を置いていたのだが…縁とはなかなか切れないモノらしい。

同乗していた「髪の色が派手な男」と「とにかくよくしゃべる男」は、さっさと浜の方に行ってしまったらしい。
渋滞に巻き込まれて疲れた足をビーチサンダルに履き替え、
「さーて、どこいったかな。どうせ目立つだろうし、ま、いいか」




[23] 昼食、調達。 投稿者:河内 流 投稿日:2001/08/16(Thu) 17:49

さすがに、昼時だというべきか。入った海の家は戦場さながら、凄まじく混んでいた。
「うわちゃー………雫、待たせておいて正解」
彼の愛すべき妹は、排他すべき兄と共に、パラソルの下、のんびり疲れを癒しているはずだ。
さすがに、海で遊びっぱなしというのは、彼女の体力的にきつかったらしい。
そんなわけで、「おにいちゃん」として気を利かせ、独り、昼食の調達へと足を運んできた訳だが。
「…ったってよー…買って帰れんのか、これ」
と。
浜の方に、煙が見えた。
「…んだ? あれ」
店内から、表に出る。
昇りきった陽が、辺りを焦がす勢いで照らしている。
「…食いもんの匂い、だよな」
どんどんと、煙の発信源へと近づいていく。
どうやら、磯部料理の実践中らしい。
調理中の彼らの年格好は自分と同じ位だろうか。だとしたら、星火生かも知れない。
だが、そんな憶測よりも何よりも、その食欲をそそられる匂いに、
「あのー」
言葉が口を衝いて出た。
「突然でアレなんだけど、よかったら俺も混ぜて貰えない?」

メルアド欄、ちょっとそれっぽく遊んでみました(笑)



[24] 無謀な実践料理 投稿者:平 哲郎 投稿日:2001/08/17(Fri) 05:20

宿泊先の宿舎から借りてきた焼き網と金バサミ、
それから燃料とマッチとその他調味料や皿やらもろもろ。
これでとりあえず調理の準備は整っている。
後は食材を調達するだけだ。
「オイ、これって食えると思うか?」
右手にもっさりと謎な海草を掲げて、東に訪ねてみた。
元より都合の良い答えなど初めから期待していない。
「まあいいんじゃねえか? 焼いちまえば何でも、死ぬこたあねーだろ」
焼き網の上には既に、いくつかの収穫品が直火にあぶられている。
「魚が無ぇのが、なんだけどな……」

突然声を掛けられて、振り向く。
なんだか見覚えのあるような人物が傍に立っていた。
(仲間に入れて欲しい?)
「ああ、別に構わないぜ。こっちとしては食料を調達する人間が増えるだけ、ありがたいってもんだ」
相手が誰だったか思い出せずにいたが、とにかくこういうノリの良い人間は彼としては歓迎だった。

気に入ったのでマネしてみました(笑)<メルアド



[25] 髪の色が派手な男(笑) 投稿者:柴野 幸一郎 投稿日:2001/08/17(Fri) 07:00

その出で立ちは、アロハ。
下はハーフパンツにサンダル。
額に安物のサングラスを引っ掛け、頭髪は明るい黄色。
もともとは思い切った金髪にするつもりだった。
しかし度重なる脱色やカラーリングに痛みきった毛髪は、
金と言うより黄色にしか染まらなかった。

「おらぁっ! 待てや~ロッカイ!」
波打ち際を全速力で走って、前方を行く人物を追いかけている。
片手にはさっき拾い上げたばかりの、打ち上げられていたクラゲ。
相手はこちらと目が合った瞬間何かを察したのか、一瞬ダッシュに出遅れた。
「往生しいや~! 食らえクラゲ爆弾ッ!!」
手にしたクラゲを前の六海に向かって、思い切りよく投げつけた。



[26] 発見 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/08/18(Sat) 19:47

 青木ユカと高田まゆを探し歩いて、ようやくその姿を発見した。
「ユカさん、高田さん」
 歩み寄って、声をかける。
「もう昼食は食べまして? 
向こうで東たちが、なんだか料理を作るらしいんですの。
もしよろしかったら、御一緒しませんこと?」
 本当は、海の家などで売っているカレーやら焼きそばやらも食べてはみたいのだ。
 なんせ、そういうところでそういうものを食べたことがないのだから。
 しかし、東たちがいろいろやっているのは、
いかにも面白そうだったので、一緒することにしたのだった。
「そうそう、食材を探して来るように言われたんですの……」
 思い出して、言う。
「わたし、先ほど、ええと、うみうし、とかいう生き物を見ましたの……。
あれは、食べられると思います?」



[27] なんともはや 投稿者:狩谷 東 投稿日:2001/08/18(Sat) 19:49

 萩乃に会ったので、磯辺料理の話をしたのだが、
はたしてちゃんとした食材を彼女が探してこられるのかどうか、
いささか不安だった。
(……たぶん、青木さん、だったか。
あのへんの人に会えば下手なことにはならないとは、思うが……)
 平に呼びかけられて振り返り、その手にある海草を見やった。
「……食べて食べられないことは、ないんじゃないか。
誰が食べるのかは知らないが……」
 とりあえず、匂いは悪くないという点が救いといえば救いだ。
(食材か……)
 ちらりと傍らに転がしてあるスイカに視線を向けたが、
さすがに焼いて食べてもしかたないだろう。
「魚か。どこかから、調達してこようか」
 捕まえるのは無理だろうが、どこかで売っているだろう。
 歩きだそうとしたところへ、やってきた人物を見やり、
(あれ)
 と、思った。新聞で見た顔を彼は覚えていた。
「平、おまえ、その言葉使い。先輩だぞ、このひと」
 と、突付いてから、その人物に向き直った。
 たぶん、こんな物好きなことを言うからには、
河内流、のほうなんだろうな、と検討をつける。
「こんなんでよければ、食べてってください。
なんか持ってきてくれれば、そこで焼けますんで……。
……おひとりなんですか?」



[28] とにかくよくしゃべる男(笑) 投稿者:六海 晋 投稿日:2001/08/18(Sat) 20:00

 Tシャツにハーフパンツ、ビーチサンダル。
 それにサングラスという小物を合わせ、気分はすっかり海と夏だ。
 本当は自転車でここまで来ても、よかったのだが……。
「なにすっだよ!」
 背中に当たったクラゲの感触に声をあげた。
 足を止め、ちょうど足元に打ち上げられいた海草を拾い上げ、
柴野を待ち構えると、その黄色い頭にかぶせるようにのせ、
「おりゃ、ひよこ頭ぁっ!」
 そのままぐりぐりと押し付けた。
「海草トリートメントしちゃる!」

 そう、高校時代の友人たちと来て暴れ回らないはずがない。
その体力温存のため、自転車で来るのはやめたのだった……。



[29] うみうし… 投稿者:青木 ユカ 投稿日:2001/08/19(Sun) 05:06

海の家で購入したやきそばを手に戻るところを、聞き覚えのある声に呼び止められる。
「あ、萩乃サン。良かったちょうど探そうとしてたとこだよ」
相手の言い方に合わせて、自分も「サン」付けを使用している。
両手のかき氷を持ち上げて見せて、
「宇治とブルーハワイ、どっちがいい?」

「昼飯? いや、まだだけど…」
東と言ったら確か萩乃の幼馴染だったか。料理をするとはなかなか家庭的だ。
「ほんとうはさ、あたしたちも最初はやきそば買おうとしたんだけど
 昼時は込んでてとてもじゃないけど近づけないよ」
昼食の誘いは渡りに船だった。が、しかし。
「ちょっと待った、食材を探す?」「うみうし……」
しばし絶句。
A組のお嬢さまらしいこういった言動にはだいぶ慣れてはきたが、
いまだにビックリさせられることは多い。
「……食べられるかどうかは置いといて、とりあえずあたしは食べたくないね」
「何を作るのかは知らないけどさ、それじゃいったんまた岩場にでも戻る?」
「あそこが一番食材が取れそうじゃん」



[30] カキ氷はミルク味 投稿者:高田 まゆ 投稿日:2001/08/19(Sun) 05:07

普段からあまり話すのは得意ではないので、
会話も気が付くとユカと萩乃の二人に任せてしまいがちになってしまう。
「ウミウシ……は、食べられないんじゃないかなぁ。
 巻貝の一種だから食べれなくも無いかもしれないけど、色とか持ってるのは毒がありそうだし。
 それに昭和天皇も不味いって言ってたよお(笑)」
自分の知っていることや得意分野ならけっこう話しやすい。
「料理ってなんのお料理? 自分で材料を探すなんて面白そう~!」
「岩場! 行こうよっ。わたし海だったら岩場と砂浜が一番好き~!」
自然や植物のことについては興味が大きい。
予期せぬアウトドア活動の予感にわくわくした。



[31] ひよこ頭 投稿者:柴野 幸一郎 投稿日:2001/08/19(Sun) 05:46

「おわっ、なまぐさっ!」
相手の反撃にとっさに逃げようとしたが、すぐにとっ捕まってしまった。
「うっひゃあー! ぬるぬるして気色悪うっ。やめえやロッカイ!」 
「すんません、トリートメントは無香料で頼んます!」
「あーれー、お助けえ」
ゲラゲラ笑いながら友人の手から逃れようとする。砂浜に尻をついた。
ずり落ちたサングラスが目元まで落ちてくる。
「オラオラ兄ちゃん、直に止めんとしばくぞワレぇ!」
ふざけてチンピラ風に声にドスを効かせてみせたりする。
その時視界に映った人物に大きく手を振って、
「あ、豪は~ん。ここやここ!」
「車うまいこと停める場所見つかったか?」
そしてすぐに六海に向かい直ると、再び手にした透き通る物体を突きつける。
「アンタがトリートメントやったら、オレはマッサージしたるわい!」
「覚悟しいや~」



[32] なに、先輩なのか? 投稿者:平 哲郎 投稿日:2001/08/19(Sun) 06:08

東に言われて思い出す。
そう言えば入学間もない頃に、学内新聞で騒がれていた双子の兄弟だ。
確か2年生だったはずだ。
「先輩だったッスか。どうもすんませんっした」
頭を下げる。一応目上に対する礼儀は大切にするよう心掛けている。
応援団で叩き込まれたせいもある。
「ところで先輩、ここの食いモンは見ての通りッスけど。
 俺ら食えると思ってやってますが、もしかしたらあんまり頂けないかもしれませんぜ?」
自分たちの料理で腹痛でも起こしたら悪いと思った。



[33] ぼそり…。 投稿者:佐竹 藤子 投稿日:2001/08/20(Mon) 00:42

「うみうしとあめふらしは、雨を降らせることができる分、
あめふらしのほうが偉いんだ…っていう話を聞いたことがありますか?」

高名な詩人の方か、楽団の指揮者の方の言行録にそんなものがあった気がした。

「…あとは、甘い息に気をつけることが肝要かと」

海に出たらクラゲとうみうしには気をつけないといけない。
…これは何の話だったかしら??



[34] 先輩? 投稿者:河内 流 投稿日:2001/08/20(Mon) 11:10

「先輩、って事は、やっぱ星火の人間なん?」
先程脳裏をかすった考えは、どうやら事実だったようだ。
にしても、名乗った訳でもないのに「先輩」だと判ったと云う事は。
「やっぱ俺有名人なんかなー」
口にしてから、ははは、と思わず笑みがこぼれた。
嬉しい様な、複雑な様な、そんな心境で。
「あ、ほんじゃ改めて。俺、2-Jの河内 流。宜しくな~」
「ふーん、食料は現地調達式、って事か。面白そうだな~」
「ん? はっは、ハラ壊れようがなんだろうが、今がよければそれでよし! っつわけで、俺も混ぜてね」
何か忘れている様な。
そう、思い始めた矢先に、彼らの内のひとりから、声を掛けられた。
(おひとり? って、ああ!!)
「やべ! 忘れてた! 雫!」
「あー、えっと、後ひ…じゃない、ふたり、居るんだけど混ざってもいいか?」
「勿論! 俺ら食う分位は自分らで探すからさ」
当然、その仕事は兄君に任すつもりで居るのだが。



[35] 騒がしい 投稿者:六海 晋 投稿日:2001/08/21(Tue) 19:33

「おー、梅ヶ丘、おっつかれさーん」
 もうひとりの連れにこちらも手をあげて、居所を知らせる。
 声がでかいと、こういう時には便利だ。
 そして、柴野に、
「男にマッサージしてもらうなんて、嬉しくないっねー」
 笑って言いながら、その場から飛びずさった。
「うっし、受けてたつ!! いざ尋常に勝ぉぉ負!!」
 しゃきーん、とか意味のない言葉を口走って、
持ったままの海草を盾のように体の前に広げた。



[36] うーん…… 投稿者:狩谷 東 投稿日:2001/08/21(Tue) 19:34

「あ、どうも。俺、1年D組の狩谷 東といいます」
 名乗られて、自分も名乗り、頭を軽くさげた。
(あと、ふたり……)
 それはやはり新聞に載っていた彼の兄弟たちなのだろうか。
「人数が増える分には全然かまいませんが……な、平」
 言って、少し考え、やがて「じゃ、俺も食料調達に」と一声かけると、
砂浜を歩き出した。
 どうもタダのものだけでは、飯には程遠いような、そんな気がした。
 とりあえず、どこかに店はないかどうか……探す前に、
地元の人間にきいてみよう、と海の家のほうへ行ってみる。
(……うわ)
 大繁盛であった。
(これじゃきくもきかないも近づけないというか……)
 踵を返そうとしかけた時、ふと、視界に入った顔に目を見張った。
「行徳?」
 まぎれもなく、それは彼のクラスメイトであった。
(忙しそうだな……)
 声をかけるかどうか迷っているうちに、いつのまにか
焼きそばを買う列に自分が組み込まれていた。
(せっかくだから、買っていくか……)
 特別、急いでいるわけでもない。



[37] 無題 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/08/21(Tue) 19:34

「まあ、カキ氷……おいしそうですわね」
「いただいてよろしいんですの? 
それじゃあ、宇治のほう……ありがとうございます」
 もらったカキ氷を立ち食いすることに、なにやら楽しみを覚えながら、
ふたりの言葉に耳を傾ける。
「そうですの、食べられませんのね……」
 ウミウシの姿を思い浮かべる。
「でも、そうですわね、たしかにおいしそうとはいえませんわ……」
「あら、藤子さん」
 どこからともなくやって来た友人の言葉に、首をかしげる。
「あめふらし……それは、なんですの? 食べられますの?」
 お腹がすいてきたせいか、思考が一直線なのだった。



[38] なんなんだよ(笑) 投稿者:梅ヶ丘 豪 投稿日:2001/08/23(Thu) 02:27

「あんたら、はしゃいでるなー」

おそらく周囲にいるような学生-高校生が大半だろうか-よりも
はっきり言って目立っている。
予想はしていたことだが。

「チャンバラやってる場合かって。さっさと泳ごうぜ」
肌に何か塗るのは性に合わなかった。
今までだって塗ったことはないが別に問題はなかったし。
「おらおら、寝てないで、行こーぜ!」



[39] ソースの香り漂う中。 投稿者:行徳 浩二 投稿日:2001/08/29(Wed) 16:38

「お、狩谷じゃんー」
 ひょっとしたら知り合いが買いに来るかなー位には思っていたのだが、まさか本当に出くわすとは。
「俺? ここ伯父貴がやってんだよー。そ、夏だけなー。
 いつもは民宿とー、そこにくっついてる喫茶店やってんだけどなー。
 俺は毎年手伝いに来てんだー。そ、バイトでなー」
 会話を交わしながら、出来上がったばかりの焼きそばをパックに入れて、狩谷に渡した。
「昼、こんだけなのかー?」
「へー、磯辺焼きかー。そら良さそうだけど、食材、どうするんだ? なんなら、伯父貴に訊いてやるけど?」



[40] 無気力に、探索中。 投稿者:河内 荒 投稿日:2001/08/29(Wed) 16:56

『つうわけでな、浜辺で素敵にバーベキューってワケだよ。
 食材持ち寄り方式なんだと。
 俺は雫連れて先行ってるからさ、お前、飯ネタ集めてくんねぇ?』
 全く勝手な言い草だ。
 珍しく自主的に「昼飯調達」などに向かった流を、妹と二人、のんびり待っていたのだが、随分と長い事かかって戻ってきたかと思えば、突然そう言い放ったのが数十分前。
 多分コイツは折れないだろうな、と思い立ち、パラソルとレジャーシートを持っていく事、その途中、余計な荷物は宿舎に一度置いていく事を流に任せるのを条件に、荒はひとり、浜沿いの道路を歩いていた。
 海中に潜って何か捕る、等というのはまず出来ないし──水着が無いのもさることながら、確か法に違反するはずだ──直売の店でもやっていないかとこう辺りを見て回っているわけだが、探し方が悪いのかなかなか見つからない。
 こんな事なら、このウエストポーチも流に任せておけばよかったか、と、貴重品の入ったそれを一睨みし(重さのバランスが落ち着かないらしい)やれやれ、と一息吐いて脇の堤防に腰掛けた。
 砂浜のゾーンを大きく越えて、いつの間にか岩場にまで来ていたらしい。
 …あそこなら、貝や蟹くらい、有るかも知れない。が。
「…あったとしても、食えるのか…」
 昔祖母の家に行った時に、沢蟹を捕って食べた事はあるが。
「あれは、川だしな…」
 色々な思考が駆けめぐったが、じっとしていてもただ暑いだけだ。
「一応、見てみるか」
 もう一度、立ち上がって歩き始めた。



[41] もつべきものは 投稿者:狩谷 東 投稿日:2001/08/30(Thu) 19:08

「ああ、それ……すごく助かる」
 行徳の申し出に、心の底からそう言って、
「けど、平気か? 忙しそうだよな」
「……なんだか、行徳のおばあさんといい今回といい、世話になってばかりだな……申し訳ない」
 この借りは必ず、と感謝しつつ、手に持つやきそばを見やった。
ひどく美味そうだ。
「腹減ったな……」
 そうひとりごちたが、このやきそばをひとりで食べてはきっと
あとから大変なことになるのだろう、そう思った。



[42] 魅惑の地。 投稿者:巴 萩乃 投稿日:2001/08/30(Thu) 19:16

 岩場にしゃがみこんで、じいっと見つめる。
「…………」
 それは、コケかなにかが生えた巻貝だった。
 どう見ても、食べられそうにない。というより、食べる身の部分がなさそうな大きさである。
 それが、ぴくり、と動いた。
 その動きと同時に、萩乃もぴくりと肩を震わせる。
「動きましたわ……」
 もう気分は夏休みの自由研究「巻貝観察日記」さながらだ。
 そんなことはもちろんしたことがないけれども。
 視界の隅でなにかが動いた。
「ユカさん、ユカさん! 見てください、カニですわ!」
 手を振って友人を呼んだ。
 彼女は、目的を忘れかけている。



[43] 海の空気を吸い込んで 投稿者:船橋 聡美 投稿日:2001/08/31(Fri) 01:36

サンダルを脱いで素足で砂浜に立つ。
波が、足のまわりの砂をごそっと持っていき、その分だけ足が砂に沈む。
その感触が面白くて、しばらく砂浜に立っていた。

近くの岩場の方では、何人かが蔭になっている方をのぞき込んでいる。
「カニ…なのかな?」
そういったことは、すぐ上の姉の領分だ。
もし、彼女がここにいたら図鑑に載っているような
細かい特徴まで解説してくれるだろう。
「瑞穂姉さん、おそいなあ…」
いったいどこまで泳ぎに行ったんだろう??