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眠らぬ家庭科室
南雲未来 高等部 1-b 水泳部員
うっ……もう目が開けてられない。泡だて器が重い……
生クリームと牛乳は火から下ろしたら手早く黄身と砂糖と混ぜて、茶漉しで卵のカラザを……
………… …………
「未来寝ちゃダメッ!」
「頑張って! あともう少しで目標数達成よ!!」
ううっ! この過程が眠い!! タルイ!! 死ぬー。
あと一時間で日付を越えて当日になろうってのに、なんで未だにこんなところでこんなことを……
「仕方ないじゃない、保健管理の都合で作り置きは出来ないんだし」
「それに不幸な事故もあったから。この時間まで使わせてくれる学園に感謝よ」
「お亡くなりになられた33個の卵たちに合掌……」
ああ、あれは派手に割れたねー。
「割れた割れた、あははは」
ははは。まさかその後D組の広島焼きにスーパーの卵全部出遅れるとは思わなかったもんねー。
「おかげで家庭科室の獲得にも出遅れたし、ヨード卵◎の超豪華プリンになっちゃったし。いろいろ痛すぎるってー」
「どうしてくれようか、D組の奴ら」
食ってやる。広島焼き残らずクッテヤル!
「それってD組の売上に貢献してるだけでは」
う、身体中に甘いニオイが染み付きそう……もうしばらくプリンはいいや。
実際もっと保険管理の仕方は厳しいかもしれませんが、その辺は適当に目を瞑りつつー
[本体:ともゆき]
10/20 02:29