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共感者
千歳克己 高等部 3−A 治安維持隊一番隊参謀
(自転車で学校そばの公園横を通り過ぎようとすると、公園から歓声が聞こえた)
(顔を向けると、小さい子中心のギャラリーに囲まれて航と大輝がパフォーマンスをしていた)
(それを確認すると、ゆっくりと自転車を止め、公園の中へと進路を変えた)
(航がカラーボール6つをジャグリングしながらギャラリーに話している)
「…じゃあ最後はねぇ、僕が『3・2・1』って言ったらみんなで『おぉーっ!』て言ってくれる? …なんで言うのかは見てのお楽しみ! できるかな〜?(にこ)」
「「はーいっ!」」 「「できるよー!」」
「オッケー! じゃあいくよ〜。 …3、2、1!」
「「「おぉーーーっ!!」」」
(声が出たと同時に右手に戻ってきたジャグリング中のボールを上空に押し投げ、その次の瞬間には左手のボールを同じようにし、順々にすべてのボールを高く高く投げ出した!)
(突然視点を上空へと引き上げられ、「言わされた」歓声は、その後半からは純粋な驚きと興奮の声に変わっていた)
(そして落下を始めたボールは、吸い寄せられるように航の左右の手に交互に収まってゆき、最後の1個はわざと右肘でもう一度軽くバウンドさせてから左手でキャッチした)
(割れんばかりの拍手喝采)
(航は両手をあげ、腰を折ってそれに応えた)
「みんなありがとう! じゃあこれでおしまい!」
(…と言うが、子どもたちはアンコールを止めず、航は苦笑する)
(少し離れたところで見ていたが、近付いていき)
…すごい人気だな(笑う)。
「…あ、千歳くん、見てくれてたの?」
(しがみついている子どもたちに謝りながら離れてもらい、克己の方へ近付く)
(それを見て、大輝が「それじゃあもう一つだけ!」と言って子どもたちを引きつけた)
(みんなが大輝を囲むのを確認してから)
…相変わらず、きっちり練習してるんだな。
「そりゃあね(苦笑)。 これが僕たちの夢だから。」
……今度の文化祭に、お父上を招待するんだって?
「…さすが、相変わらず耳が早いね(苦笑)。」
ずっと認めてもらいたいって言ってたもんな。 …うまくいくといいな(笑う)。
「…ありがとう(微笑む)。 …千歳くんも、早くお父様が良くなるといいね…。」
……そうだな(微笑)。
(腕時計をちらと見て)
…じゃあ、俺はこれで。 頑張れよ。
「わかった。 またね。」
(聞いて、一度大輝の方を見ると、視線を合わせてから頭を下げてきた)
↑携帯からのマックス投稿文字数です…(疲れた…)
[本体:淡 楓]
8/18 02:46