[326]
シャイニング眼鏡
薬師神聖子 高等部 1-J
「マジで!? すげぇ!!」
「いくいく、絶対行く!」
(避暑地旅行の相談を終えて戻ってきた二人に)
あーいいわねいいわねお二人さん。
行ってらっしゃいな山と湖の奇麗な別荘でもどこでも。
「んだよ、セーコやけにつっかかんな。」
こっちは暑苦しい下界でひーこらやってんのに、
ブルジョワに誘われた下級市民がセレブ気取りで避暑地の相談してるのよ?
イラつかないわけないでしょうが。
「それは聞き捨てならないね〜。
僕たちってこう見えても上流階級よ?」
テツはともかく、ボロ寺の息子がナマ言ってんじゃねーわよ。
潰れけの診療所開いてるうちと大差ないじゃいでしょうが。
資産じゃなくて精神のこと言ってんの、わかる? セ・イ・シ・ン。
「そんなに行きたいんなら、セーコも誘ってあげよっか?」
あらあら優しいのねフェミニスト君。
「おう、テメーとは長い付き合いだからな。
大抵の金持ちは家の敷地だけじゃなし心も広いもんだし、
瀬音もOKすると思うぜ」
(掌をひらひらさせながら)あ〜もう結構よ腐れ縁ズ。
これ以上あんたらの顔見たくないし、それに私は色々と忙しいの。イロイロと。
「んだよまたアマチュアマンガ大会かよ」
勝手に面白ネーミングつけてんじゃねーわよボケ。
コミケよ、コ・ミ・ケ! わかる?
夏はコミケの季節。同人誌作りに、今年はコスプレ衣装も……
「うぅわぁ…。セーコちゃんコスプレ、すんの?
いやぁ、どんなおひめさまになるか、まじでたのしみー(超棒読み)」
「オタクかよ。ちょっとキモいぞお前(超ストレート)」
(丸眼鏡がギラリと光る)
アホコンビ、ぶッ殺す!!
(三角定規を持って鬼の形相で追い回す。)
読みは「しょうこ」でもあだ名はセーコ。シャイニング眼鏡はブチ切れのサイン。
[本体:森陽]
7/12 12:40