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闘争心
最勝寺龍禅 高等部 1−J
(拳サポーターをつけた無敵の右手首を、藤本が右手で叩き落しながら掴み、
重心が崩れたところを空気投げをうつ。)
おいおい、……マジかよ。
「今日の源太郎さん、冴えてるなぁ。」(ピクリ)「リューくんも頑張ってね。」
〔ゲンタロウ、サン……熊男が僕の大和撫子に! も〜、クッソ〜〕
まぁ、見てて下さいよ光センパイ。僕はああはいきませんから。
(藤本、最勝寺、中央で礼。
上体を起こすと最勝寺が速攻を仕掛ける。
アプチャギ〈前蹴り〉で構えをとり始めた藤本の水月を狙う。)
りゃッ! 〔よし、決まっ……?!〕
(足が伸びきる前のアプチャギを自ら前に出て腹で受け止められ、
両腕でがっちりと挟まれる。直後軸足を蹴られ、転倒。)
〔……あ〜あ、……こりゃ、かっこ悪いわ。〕
「蹴りは安定せんけんの。合気じゃ蹴り技は使わんが、まぁ、鹿子木流は別たい。
なかなか筋はよかけん、鍛ゆっとここでも使えるようになっだろ。
さ、何ばしよっとか。立てぃ。まだまだやっぞ。何なら二人同時にかかってこい(笑)」
「ちょっと、源太郎さん!
最初なんだし、もうそろそろ基本から……」
いや、もう一本やります。やらせて下さい。
「俺もお願いします。なんつーか、このままいいとこナシじゃ納得できないんで。」
「がはは、よかよか! 二人とも、よか目になってきたばい。」
[本体:森陽]
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