[313]
新しい道
最勝寺龍禅 高等部 1-J
あぁ〜、早くこないかなぁ光センパイ。
「オイなんで俺もだよ」
いいじゃんいいじゃん。
どうせもうジムには行ってないんだろ?
俺もな〜んか道場にゃ居辛くなったし。
高一でさ、心機一転して新しい世界に行くってのもよくねぇ?
「つっても合気道だろ。女の護身術になるとかならんとかいうけどよ、
俺ん中では古臭いイメージしかねぇんだよな」
テツ、もうぐだぐだ言うなっての。
それとも何? テスト結果ぼろぼろでしょげてんのお前(笑)
「バッカんなんじゃねーよ。テメェも赤点ばっかじゃねぇか」
(校舎前で言い合っているうちに、大井が到着。その後ろから……)
「……でけぇ。」
……でけぇな。
「ごめんね、ちょっと待たせちゃったかな」
い、いえ全然。それより光センパイ、そちらのお方は……
「彼は藤本君。私と同じクラスにいて、同じ合気道道場で稽古してるの。
せっかくだから紹介しておこうと思って。……そちらの彼は?」
あぁ〜、コイツは僕のダチで無敵っつーんです。
〔それよかその熊男との関係を僕は知りたいんですが…〕
「ほぉ、ワルは無敵て言うとか。男らしゅうてよか名前たいな」
〔お前どこの人間だよ!〕
「あ、彼、熊本県出身なの。ちょっと訛があるけど気にしないでね」
〔正真正銘の熊男かい〕
「藤本サン、あんた本当に合気道の人間なんすか?
なんつーか古武術やるにはガタイ良すぎるっつーか。」
「鹿子木流は実戦向きだけんな。一般の合気とは毛色んだいぶ違うとぞ。
ま、本気で強くなりたいちいう骨んあるやつは楽しむっだろうな」
〔コラそこ。オマケコンビで盛り上がんな。〕
あ、光センパイ? 立ち話もなんですんで学食かどっかでゆっくり……
(藤本にギロリと睨まれる)
〔ヒィィ……〕
すみません、新校舎の状況説明してませんが(苦笑)
[本体:森陽]
7/5 10:25