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必死に勧誘中
大井光 高等部 3年
〔なんだろう、さっきのすごい音。
ああ、でもそれよりしっかり勧誘しないとね。
館長さんにも期待されちゃってるし。うん!〕
こんにちはー、一緒に合気道やりませんか?
私達は鹿子木合気道場で日々練習しています。
こんにちは、合気道に興味はありませんか?
(むこうからすごい勢いで駆けて来る生徒が一人)
「ちゃーっす! お姉さん、何ですか何部でガンバッてるんすか?!」
え、あ、あの、合気道を頑張ってます。正確にいうと部じゃなくて…
「え、お姉さん3年生ですか? 美人さんですねー僕びっくりしましたお姉さんみたいなキレイな人初めてです、
僕、最勝寺龍禅っていうんですよ苗字が最も勝つ寺でサイショウジ名前が難しい方の龍に座禅の禅でリュウゼン。
よろしくおねがいしまっす!」
〔わっ、元気がいい子だなぁ〕え、えぇ。こちらこそよろしくね。
これ、よかったらどうぞ。
(微笑みながらパンフレットを手渡す)
「おーいリュー、てめぇ置いてくぜ!」
「っせー! すいませんねー連れが世話のやけるやつで、僕いないと何もできないんスよ。
ちょっと行ってきます。あっと、お名前を」
あ、ゴメンなさい。私、大井光です。
「ヒカリ先輩、またお逢いしましょう! じゃ失礼しまっす!」
……行っちゃった。
あの友達も連れて道場に来てくれると、嬉しいな〜。
[本体:森陽]
6/14 00:47
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