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ああ
倉明日香 高等部 2年 探偵部
四谷くん、ちょうどいいところに。
これをあげましょう。わたしから、ではなくて、萩乃先輩からですよ。
中身? 紅茶っていってましたよ。
本当は茶葉にしようかと思ったらしいんですけど、生活を考えてティーバッグだそうです。
チョコレートじゃなくて、ありがたいでしょう(笑)
ということで、わたしからはコーヒーです。インスタントですけど。
「どうも……。あ、そーいや巴先輩、受験のほうどうだったんですかね」
私立は何校か受かったって話でしたけどねえ。どうも本命はまだのようですね。
……もうお帰りですか?
そうですねえ、今日は校門から外に出ないほうがいいですよ……って、そうでした。
コレ。と、あとコレとコレと。
「……これらは?」
預かり物です。こんな感じで(と、眼鏡を外し)
四谷尚季くんって知ってますかっ(両手を握って目をきらきら)
あのっ、これっ、渡してほしいんですっ。すみませんっ。
お願いします、彼、寮生なんですよね? きっと、わたし、手渡せないから……っ。
――と、まあ。(何事もなかったかのように眼鏡をかけなおす)
「(笑いをこらえながら)……あの、先輩。すっげー特技を持ってません? 実は」
中学時代は演劇部にも入ってましたから。おちゃのこですよ。
[本体:はな]
2/27 22:16