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義理チョコならぬ……
四谷尚季 高等部 1-F
(教室の扉付近で)
「ね、四谷くん、お願い!」
自分で渡したほうがよくねーかなぁ。そのほうが喜ぶと思うよ?
「それができないから頼んでるんじゃん! あ、ほら、四谷くんにもあげるからー。ね」
……それでいーならいーけどさ。
(席に戻ってくる)
「なんだよ四谷! チョコレエトかっ!」
んー、ついでにもらった。てーか、お駄賃?
「お駄賃? おつかいにでも行くのかオマエ」
そんなよーなもん。同じ部屋のヤツにやってくれーってさ。
「へー。そりゃまたご苦労だ。誰だっけ同室のヤツって」
「つーか、でもさ、そのワリには包みとかあんまし違わなくね? ほんとにソレはアレなのか?」
は?
「だからホレ、にぶいな四谷クンよ! ソレは単なるアレで実はコレがソレなわけだよ!」
どんなわけだよ。つーか、指示代名詞が多……
「なるほど! そうか、そーゆうことか、ソレはつまりコレなんだな!」
「そーだ! わかるだろ! 本当はつまり、四谷、ラ・ブ!」
「うおおお! なんつー羨ましいヤツ! 女泣かせっ」
……阿呆か、おまえら。
[本体:はな]
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